戦争の悲惨さ命の尊さを考える資料館へ
戦後75年を経て建てられる(仮称)平和資料館が2022年度にオープン予定です。
戦争の悲惨さや平和の大切さ、命の尊さについて考える機会を提供する施設として期待されています。戦争を体験した人が年々少なくなる中で、若者や子どもたちの平和に対する考えを育てる資料館としての役割は重要です。
現在建設中の平和資料館は中央図書館横で、この地には小倉にあった連隊規模の駐屯地部隊、動員学徒・女子挺身隊員を含めて45000人が従事した西日本最大の兵器工場であった小倉造兵廠があったところです。
2009年全会派一致
平和資料館建設までの道のりは、非核平和都市宣言への市の態度が重要でした。
1983年の議会決議が賛成多数で可決していましたが、自民党の反対で「全会派一致」でないことを理由に市長は宣言を拒否してきました。
2009年に全会派一致で非核平和都市宣言を議会決議。これを受けて市長も翌年の2010年に市として宣言(前表)をしました。
一方、市への平和資料館設置を求める市民運動が行われ、民間の平和資料館が開設されるなど平和運動の積み重ねもあって、今回の建設となっています。
北九州市非核平和都市宣言
平和な世界の実現は、人類共通の願いです。 私たちの国、日本は、世界で唯一の核兵器の被爆国として、この地球上で再び広島や長崎の惨禍を繰り返してはならないことを、世界の人々に強く訴え続けてきました。
私たち北九州市民は、長崎に投下された核兵器の第一目標が小倉であったことを重く受け止め、核兵器の恐ろしさ、戦争の悲惨さ、平和の尊さを、次の世代に伝え、核兵器のない、戦争のない、平和な世界を築いていかなければなりません。
よって、私たちは、命と平和の大切さを深く認識し、核兵器の廃絶と平和な世界の実現のために歩み続けることを誓い、ここに北九州市を非核平和都市とすることを宣言します。
2010年2月10日 北九州市
北九州市がアメリカ国立公文書館を調査
2019年6月議会の本会議で田中光明議員は「アメリカに調査に行ったと聞いている、どのような展示内容を計画しているのか」と質問しました。
市の総務局長は「資料館につきましても、米国国立公文書館から入手いたしました資料などを活用し、八幡の空襲から、翌日原子爆弾を搭載した爆撃機が小倉上空を飛行し、長崎へ向かった出来ごとを紹介するシアター展示ですとか、原爆投下の背景、被爆の実相を伝える資料の展示を検討している」と答弁しました。